ファン研究入門動画
このページでは広義のファン研究を行なっている研究者へのインタビュー・対談動画を公開します。どのような問題意識やアプローチでファン研究を行っているか、なぜファンや観客を研究することが重要なのかといった基本的なことを話しています。
対談:須川亜紀子先生(横浜国立大学)対談:ジェイソン・カーリン先生(東京大学)講演&対談:永田大輔先生(明星大学他)講演&対談:ローリー・モリモト先生(ヴァージニア大学)講演:大和えり子先生(RMIT大学)講演:上岡磨奈先生(慶應義塾大学)講演:嶋内佐絵先生(東京都立大学)講演:Roslina Ismail先生(マラヤ大学)講演:陳怡禎先生講演:松浦優先生講演:山本博之先生
対談:須川亜紀子先生(横浜国立大学)
『少女と魔法ーガールヒーローはいかに受容されたのか』、『2.5次元文化論ー舞台・キャラクター・ファンダム』の著者である須川亜紀子先生をお招きし、ご自身のこれまでの研究、少女・女性文化を研究することの重要性、日本と英語圏でのファン研究の違いなどについてお話ししました。
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対談:ジェイソン・カーリン先生(東京大学)
Media Convergence in Japan (2016)、Idols and Celebrity in Japanese Media Culture (2012)、AKB48 (2019)などの共編著・共著書があるジェイソン・カーリン先生をお招きし、陳怡禎先生がお話を伺いました。アイドルと東アジアの文化の関係、ファン研究が乗り越えるべき課題、感情労働と資本主義、生成系AIと研究活動などについて議論しました。
カーリン先生のホームページはこちら
講演&対談:永田大輔先生(明星大学他)
『アニメの社会学』(2020年)、『消費と労働の文化社会学』(2023年)、『アニメと場所の社会学』(近刊)、『雑誌利用のメディア社会学』(近刊)等の編者、『産業変動の労働社会学』(2022年)、『ビデオのメディア論』(2022年)、『労働社会学者・河西宏祐と労働者の共同性』の共著者である永田大輔先生にご自身の研究活動についてお話ししていただきました。『アニメオタクとビデオの文化社会学』と『オタク批評の文化社会学』という単著も近日刊行予定です。
永田大輔先生のresearchmapは以下のリンクから。
講演&対談:ローリー・モリモト先生(ヴァージニア大学)
ヴァージニア大学のローリー・モリモト先生に、ファン研究の歴史を概説する講義をしていただき、対談を行いました。モリモト先生はFandom: Identities and Communities in a Mediated World (NYU Press, 2017)、The Routledge Companion to Media Fandom (Routledge, 2018),、A Companion to Media Fandom and Fan Studies (Wiley-Blackwell, 2018)、Fan Studies Primer: Method, Research, Ethics (Iowa, 2021). などに寄稿し、論文はEast Asian Journal of Popular Culture、Transformative Works and Cultures、Participations、Asian Cinema、ならびにMechademia: Second Arcなどに掲載されています。
モリモト先生のホームページはこちらから。
講演:大和えり子先生(RMIT大学)
ヴェトナムのホーチミン市にあるRMIT大学(ロイヤル・メルボルン工科大学)に所属する大和えり子先生にマレーシアにおける日本文化の受容についてご講演いただきました。大和先生はRMIT大学に着任される前はマレーシアプトラ大学に勤められ、2009年ごろから2015年にかけて現地で開催されるアニメや漫画に関するイベントで日本文化の受容状況についてフィールドワークをされました。今回の講演ではそこから得られた知見を教えていただきました。
大和先生の論文等は以下のサイトから参照してください。
講演:上岡磨奈先生(慶應義塾大学)
慶應義塾大学等で非常勤講師をされている上岡磨奈先生をお招きし、JKT48とそのファンダムについてご講演いただきました。上岡さんは労働の問題を中心にアイドル文化を研究され、単著『アイドル・コード : 託されるイメージを問う 』をはじめ、『消費と労働の文化社会学 : やりがい搾取以降の「批判」を考える 』、『アイドル・スタディーズ : 研究のための視点、問い、方法 』、『アイドルについて葛藤しながら考えてみた : ジェンダー/パーソナリティ/「推し」』等にご寄稿されています。
講演:嶋内佐絵先生(東京都立大学)
嶋内佐絵さんはタイBLについての論文を英語で多数発表されています。今回はタイBLとそのファンダムについての現状について入門的なお話をしていただき、また論文の内容も簡単にご紹介いただきました。嶋内さんの論文はResearch Map上でアクセスできるものもありますので、次のURLからご覧ください。
講演:Roslina Ismail先生(マラヤ大学)
マラヤ大学のRoslina Ismail先生にマレーシアのパンクシーンにおけるイスラム教徒の女性の服装戦略についてご講演いただきました。服装をどのようにとりいれ自分をどのように見せるかを選択することを通して、女性たちがグローバルな世俗文化であるパンクとローカルなイスラム教の規範の両方とどのように交渉しているかをお話しいただきました。最初の35分の講演部分は日本語字幕付き、その後のQ&AはAI生成の英語字幕付きです。
講演:陳怡禎先生
陳怡禎さんに、台湾のひまわり運動ならびに香港の雨傘運動の中で、若者の社会運動参加者が日本のポピュラー文化を引用してどのように政治活動を行なっているかをお話しいただきました。特に社会運動のリーダーの若者を「アイドル化」したり「女神化」したりしてしまうことの背景やその功罪などについて、大変面白いお話を伺えました。
この動画は陳さんの近著である『東アジアの社会運動とサブカルチャー:語り続ける台湾と香港の若者たち』(明石書店、2025年)に基づいています。
東アジアの社会運動とサブカルチャー - 株式会社 明石書店
東アジアの社会運動とサブカルチャー詳細をご覧いただけます。
https://www.akashi.co.jp/book/b659480.html
陳さんは『台湾ジャニーズファン研究』(青弓社、2014年)以来アイドルのファン文化を研究されています。
講演:松浦優先生
『アセクシュアル アロマンティック入門 性的惹かれや恋愛感情を持たない人たち』(集英社、2025年)の著者である松浦優さんに、マンガやアニメなど二次元の創作物をめぐるセクシュアリティについて、入門的な講演をしていただきました。
『アセクシュアル アロマンティック入門』はこちらです。
講演:山本博之先生
マレーシア地域研究をご専門とされている山本博之さんにお越しいただき、「マレーシアの民族・言語・宗教と記憶:映画・演劇・文学にみる社会と文化」と題してお話しいただきました。マレーシア映画を深く理解するためのマレーシアのエスニシティーや歴史についてのよい入門となっています。
マレーシアの映画について山本博之さんの単著『マレーシア映画の母 ヤスミン・アフマドの世界』(英明企画編集、2019年)もご覧ください。